【奥多摩周遊道路】バイクツーリング/サイクリングのカーブで死なないための解析と対策
公開日: 2026/6/28
更新日: 2026/6/28
こんにちは!RouteShare公式です。今回はバイクや自転車の交通安全、カーブにおける二輪車のリスクについて解説するブログになります。
バイクや自転車といった二輪車は事故にあった時のリスク、事故の起こしやすさが車より高いです。それは二輪車という乗り物の物理的特性、ドライバーが外に露出しており事故時の負傷/損傷リスクが高いことによります。また他者への加害以外にも、カーブでの運転を誤って自損/物損事故を起こすことも多いです。
教習所でもこの辺りのことはよく言われます。しかし知識にはあるとはいえ実際にどれほどなのか共感できなかったり、運転をしていく上で次第に慣れてきたり、速度に惹かれて無茶なバンクや速度で走ってしまうことがあるでしょう。
そのため、今回は実際にどれほどカーブにおける二輪車事故が起きやすのかを実際の道路でバイク界隈は有名な「奥多摩周遊道路」と警視庁オープンデータによる事故報告を用いて解説したいと思います。
奥多摩周遊道路とは?

奥多摩周遊道路は東京から気軽に行け、紅葉や新緑の名所なためツーリング、サイクリングルートとして人気のコースです。しかし1980年代ごろから走りや的行為が多く見られ、死亡事故も多発しています。現在は夜間通行止めとなり、センターポールが至るところに設置されたり、取り締まりを強化したりと暴走対策がされています。
色々と対策が行われていますが、それでも走り屋的行為は止まず事故も年間で40件ほど発生しています。
警視庁オープンデータの解析
警視庁は全国交通事故のデータをCSVで公開しており、緯度経度の他に排気量や天候、曜日、損傷度が記載されています。
今回はこの奥多摩周遊道路とそこに至る周辺道路で発生した事故を地図に入れ込みました。
地図の見方は以下の通りです。
レイヤーは排気量・車種を事故種別に分けています。目のマークを用いて非表示にして特定の種別をみやすくすることができます。
色は排気量と自転車で分けています。赤→🟥大型二輪、黄色→🟨普通二輪、小型→🟩緑、原付→🟦水色、自転車→🟪紫
詳細には発生日時、状況、事故を起こした人、負傷有無、車両損壊、道路状況、天候が記載されています。
驚くほどカーブに集中
マッピングするとわかりますが、殆どの事故がカーブに集中しています。一方で直線的な道には事故がほとんどありません。カーブに沿うようにマッピングされますが、比較的カーブ終わりの箇所に多いです。

特にこのカーブは非常に多くの事故を起こしています。
実際、警察の実況見分で道路形状が「カーブ・屈折」と判定された事故は全体の81.3%(226件)にのぼります。残りの多くも見通しの悪い「単路(その他)」で、交差点での事故はわずか0.7%でした。大半の事故がカーブで起きていることは、数値の上でも裏付けられています。
様々の属性の割合
単独、双方について

事故の全体比率で80%が単独事故になっています。物件(ガードレールなどへの損傷)はありが33.1%、なしが47.9%と若干なしが多めです。(全体比)
単独による事故が年齢、排気量・車種、天候、日時に関係なくまんべんに発生しています。
※ 単独で軽くズッコケたり運転手が通報しなかった場合は載っていない可能性があります。
※ 単独事故であってもガードレールやセンターポールを壊したり、損傷させた場合は警察への通報が必要です。
相手がいた双方事故は全体のうちの17.3%ですが、奥多摩周遊道路のカーブでも全然発生しています。
※ どちらが一方に大きな過失があり、巻き込んだのか巻き込まれたのかは不明です。ただ少なくとも二者以上事故に関わって、負傷するなり車両損壊するなりしています。
排気量・車種ごとの事故割合
大型:33.8%
普通:43.5%
小型:5.4%
原付:2.2%
自転車:15.1%
普通二輪と大型二輪で全体の約77%を占めます。自転車ゕ15%と一定数あり、原付・小型は少数でした。
負傷、車両損壊
負傷:93.5%
損傷なし:4.7%
死亡:1.8%
二輪車は車体に守られていないため、事故はそのままライダーの負傷につながります。
車両の損壊程度は以下の通りです。
小破:72.7%
中破:20.1%
大破:5.8%
損壊なし:1.4%
事故種別ごとに車両損壊の程度を見ると以下の通りです。
単独(物件なし):小破74% / 中破19% / 大破6% / 損壊なし1%
単独(物件あり):小破75% / 中破20% / 大破4% / 損壊なし1%
双方:小破67% / 中破25% / 大破4% / 損壊なし4%
死亡:小破40% / 中破20% / 大破40%(n=5)
中破以上の割合は相手のいる双方事故でやや高めです。死亡事故では5件中2件(40%)が大破で、致命傷につながる事故は車両の壊れ方も激しい傾向が見えます(ただし死亡はn=5と少数で参考程度)。
ただし警視庁のデータではこの「小破」はどこがどれぐらい壊れたのかは不明ですが、以下のような基準です。
小破:バックミラー又は前照灯の取替え、ドア又はフェンダー等車体の一部にわずかな板金修理を必要とする程度の損壊及び車体の一部にわずかな擦過痕ができた程度の損壊をいう。
中破:ラジエター又はエンジンの分解修理、フロントガラス、ドア又はフェンダーの取替え修理若しくは広範囲にわたる板金修理を必要とする程度の損壊をいう。
大破:完全に車両としての機能をなくし、再生不能と判断される程度の損壊をいう。
同じく「負傷」も重傷度などは記載がないため軽い怪我で済んだのか、骨折などを起こしたのかも不明です。
年齢層
24歳以下:35.6%
45〜54歳:22.7%
25〜34歳:19.8%
55〜64歳:10.4%
35〜44歳:9.0%
65〜74歳:2.5%
事故を起こしている年齢層に分けると若年層と中年層が多めです。そこで排気量・車種による年齢の割合を出してみます。
大型二輪(n=94)
24歳以下:22%
25〜34歳:18%
35〜44歳:16%
45〜54歳:30%
55〜64歳:11%
65〜74歳:3%
比較的中年層に多い傾向があります。
普通二輪(n=121)
24歳以下:50%
25〜34歳:17%
35〜44歳:5%
45〜54歳:14%
55〜64歳:12%
65〜74歳:2%
若年層が半数を占めています。
小型二輪(n=15)
24歳以下:40%
25〜34歳:0%
35〜44歳:13%
45〜54歳:27%
55〜64歳:13%
65〜74歳:7%
原付(n=6)
数が少ないので参考程度に
24歳以下:83%
25〜34歳:17%
35〜44歳:0%
45〜54歳:0%
55〜64歳:0%
65〜74歳:0%
自転車(n=42)
24歳以下:14%
25〜34歳:38%
35〜44歳:5%
45〜54歳:33%
55〜64歳:7%
65〜74歳:2%
曜日、月
曜日割合
月曜:8.3%
火曜:7.6%
水曜:10.8%
木曜:10.8%
金曜:8.3%
土曜:25.9%
日曜:28.4%
土日だけで全体の半数超(54.3%)を占めます。週末は平日の約3倍の発生で、レジャー・ツーリング目的の通行が多い奥多摩らしい偏りです。
月別割合
1月:2.5%
2月:2.9%
3月:9.4%
4月:10.1%
5月:12.6%
6月:6.8%
7月:8.3%
8月:10.8%
9月:15.8%
10月:10.4%
11月:5.4%
12月:5.0%
暖かくなり、規制が解除される4月、5月でまず上がります。梅雨で6,7月で一旦下がり、行楽シーズンの8~10月に再度上がります。
ただし奥多摩周遊道路は冬季・夜間に通行止めとなる区間があるため、12〜2月の少数の事故は周遊道路上ではなく、そこに至る周辺の市街地・一般道で発生したものである可能性が高い点に注意が必要です。
天候
晴:82.0%
曇:15.5%
雨:2.2%
霧:0.4%
事故の8割超が晴天で発生しています。雨や霧などの悪天候はごくわずかで、路面が滑りやすいから事故が起きているわけではないことがわかります。
路面状況
乾燥:94.6%
湿潤:5.4%
凍結:0%
積雪:0%
約95%が乾いた路面での事故です。濡れた路面は5.4%のみで、凍結・積雪はありませんでした。
データからの考察
一通りデータに関しては以上となります。ここからは考察と対策について述べていきます。
まず特筆すべきなのは圧倒的にカーブで事故が多発しており、年齢・車種・曜日・天候に関係なく単独事故が多いこと、道路のコンディションが良い状況でも事故が多発しているです。
とりあえずカーブでの事故は有意に多い
カーブでの事故は二輪車の特性上おきやすいですが、数値以外にもマッピングした結果をみると驚くほど張り付いています。実況見分においてカーブが原因であると決定された分類が80%を占めているため、いかに二輪車がカーブにおいて事故を起こしやすいかがわかります。

この道路に関わらず山中のきついカーブを曲がる際は適切な速度まで減速することを心がけてください。
技量に合わない走り屋的行為による事故が多い
二輪車のカーブでの事故はこの道路問わずよく発生します。しかしこの道路では年齢、天候、路面状況、車種に関わらず全体的に単発事故が発生しています。雨の山中で全てしまって事故が多発というわけでなく、道路的にはベストな状態にも関わらず発生していることから何かしら運転手に起因する要因が多く事故を発生させていることが考えられます。
その大きな原因としては走り屋的行為です。この道路は歴史的に走り屋的行為が昔からあったためその文化が残ってしまっています。Youtubeなどで検索してみると、スピードを出しながら膝をするギリギリの速さできついカーブを曲がる動画あります。
速度があったとしても物理的にはバンク角があれば一応曲がることはできます。しかし、そのような走行には相当の技量が必要とされます。またそのような深いバンクをするとへの恐怖心により体が強張り、予想以上にバンクや適切な運転ができず結果事故が発生します。
この道路の制限速度は時速40kmであることが多いですが、その速度以下であれば安定して曲がれるように法律に則り道路が設計されています。つまり路面状況が問題ない状況で自損事故が多発する道路というのは、本当に走り屋的な行為が横行しているが故です。
排気量・車種、年齢は数値上傾向はあるが、事故の直接的な要素ではない
事故の発生を排気量・車種、年齢で分けてみると相関はあります。多くは自動二輪の普通・大型、自転車で発生しています。そして年齢としては20代、45〜54歳が発生しています。これらは予測となりますが、普通二輪を取得する20前半、経済的に余裕が出てきてロードバイクを購入したり、大型バイクを購入した20後半、中年層と思われます。
一応事故を起こした数値上の相関はありますが、事故の直接的な道路状況と原因はカーブで速度を出しすぎていることが主要因です。数値に当てはまっていない属性にかこつけて「自分は〜〜だから事故らない」と括らない方がいいです。
安全に走りたい人向けの対策

山中の怖い道と思われがちですが、下より観光道路として開発された意図があるため整備や設計はよくされています。昭和の気合いで山中に作られたえげつないカーブなどはなく、全体的に整備されています。そのため、カーブに関しては制限速度に準じた速度にしていれば都心からアクセスしやすい新緑・紅葉が美しい道路になります。
速いバイク・車がきたら...
高速のバイクは高音のヴィーンという音がします。その時はミラーをちらっと確認しましょう。そして二輪車であれば左によって先に行かせてください。
四輪車であった場合、この道路は全体的に狭いので場所によっては追い越しが難しい場合があります。そもそも殆どが追い越し禁止なので、左に寄って抜かしてもらうか駐車場・退避スペースがあったらそこに避難しましょう。
カーブ中は無理せずカーブの対処を行い、直線的な道路になったら抜かしてもらいましょう。一番いけないのは安全のため法定速度付近を維持しているあなたが焦って余計な速度を出してしまうことです。あらかじめ地図で駐車場・退避スペース、直線的な箇所を確認して予習しておくと恐怖心が減ります。
対抗的に頑固に譲らなかったり逆に妨害するような走行は危険です。妨害は普通に事故を誘発しえります。また走り屋的行為をする人には謎に自信・自尊心・プライド・攻撃性が高い人がいます。よくわからない危険な他者を変えようとこちらが対抗せず、こちらが余裕を持って譲ってください。(まだモラルのある人なら左手で感謝を伝えてくれます。)
どうしてもという場合は平日に行くという手もあります。上記データが示す通り、土日に来る人が多いため事故やそのようにかっ飛ばす人が集中しています。必ずいないというわけでもないため、あくまで気休め程度です。
自転車はブレーキングを意識
自転車は下坂でバイクのようなエンジンブレーキがないため、意識的に減速するようにしてください。
景色は綺麗でヒルクライムしがいがありますが比較的狭く、路側帯もない区間が多いので初心者には非推奨です。
事故を起こすと病院まで2時間ほどかかりえる
"奥"多摩と言われるように市街地から20kmは離れています。事故が起きるとそこから病院に搬送されるまで2時間かかりえる言われています。この文言はこの道路の看板に実は書いてあります。東京消防庁もわざわざこの道路に関するページがあります。搬送された人のうち1/4は生命に直結し得る怪我をしていました。
走り屋行為には多くのリスクをはらんでいます!!

説教くさいのは承知な上なのですが、自損事故でも負傷をして車両損壊します。ましてや20%は双方事故が発生しており、場合によっては人を巻き込む可能性もあります。その場合下手したら死亡させたり、免停、刑事罰を受けるリスクもあります。自分の状況は比較的コントロールできても、他者の状況までコントロールはできません。
この記事を書いている管理人も、バイクのような乗り物が高速でバンクをかけるのはカッコいいと思う気持ちはわかります。AKIRAとかイニDもみていましたし。フォルムのかっこよさやカーブでの人車一体感は高速域で行えたら心地よい気分になれるかもしれません。しかし、それがSNS・Youtube・仲間内で「他の人から賞賛されたら嬉しいな」と思う気持ちがあったら一旦待ってください。
その「賞賛されたい」の代償が、この記事で見てきた278件です。そしてその9割以上が負傷、5件は帰ってきませんでした。賞賛は一瞬で消えますが、後遺症や失った時間、巻き込んだ相手への責任は一生残ります。
速さを証明したいなら、サーキットがあります。クローズドコースなら、転んでも基本は自分だけ、対向車も歩行者も崖もありません。本気で攻めたい気持ちは、本気で攻めていい場所へ。公道は、攻める場所ではなく、無事に帰る場所です。
安全に運転してツーリングを楽しもう!

奥多摩周遊道路は、本来とても良い道です。都心から数時間でたどり着けて、新緑も紅葉も湖も峠も、全部そろっています。整備も設計も行き届いていて、制限速度で流すだけでも十分に楽しいです。観光道路とだけあり良い道路です。
速さで競う場所ではなく、景色とワインディングそのものを味わう場所として走れば、奥多摩は何度でも通いたくなるホームコースになります。安全マージンを持って無事に家まで帰る。それができて初めて、また来週も走れます。
今回の事故マップは、このブログにある地図からすぐみれます。走る前に「どのカーブが危ないか」を一度予習しておくだけで、心の準備がまったく違います。
RouteShareには、あなたのツーリングを安全で豊かにする情報をこれからも発信していきますのでよろしくお願いします!
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