ルート概要
筑波山は日本百名山の中でもアクセスしやすく、初心者からベテランまで楽しめる登山スポット。秋は紅葉の名所として知られています。筑波山神社周辺やケーブルカー沿い、山頂からのパノラマビューなど多彩な見どころがあり、期間限定のライトアップも必見。本記事は紅葉の見頃やおすすめスポット、登山ルートを紹介します。
ルート詳細
筑波山の基本情報
筑波山(つくばさん)は関東地方東部、茨城県つくば市の北端に位置する標高877mの山で、初心者も登山を楽しむことができます。アクセスしやすく、歴史や自然、眺望、登山の要素が揃った人気の山です。

山名 | 筑波山(つくばさん) |
所在地 | 茨城県つくば市北端 |
標高 | 女体山:877m / 男体山:871m |
特徴 | 女体山と男体山の2つの峰からなる双峰の山 日本百名山の中で最も標高が低い山の一つだが、山頂からは関東平野を一望できる |
愛称 | 西の富士、東の筑波 |
信仰・歴史 | 筑波山神社の御神体、古代からの山岳信仰、万葉集にも詠まれる |
その他 | 登山道整備済、ケーブルカー・ロープウェイあり、日本百景の一つ |
筑波山の紅葉情報
紅葉のベストシーズン

- 色づき始め:例年10月下旬頃
- 紅葉の見頃:例年11月上旬~11月下旬頃
山頂は10月下旬~11月上旬
中腹は11月中旬~下旬
山麓は11月下旬~12月上旬 - 気象条件によって前後する場合がありますが、11月全般がピークで美しい紅葉を楽しめます。

見どころスポット
筑波山神社周辺
筑波山神社の境内を歩くと、鮮やかなモミジと黄金色に染まったイチョウが迎えてくれます。特に西側の階段やスロープ沿いは秋らしい彩りに包まれ、ゆっくり散策しながら紅葉を楽しめる人気スポットです。歴史ある神社と美しい紅葉が織りなす景色は、心を和ませてくれます。

ケーブルカー沿い
宮脇駅周辺では山肌を鮮やかに染めるイチョウやモミジが出迎えてくれます。毎年秋には期間限定でナイトクルージングとライトアップも行われ、幻想的な紅葉に包まれる特別な体験ができます。昼夜どちらも楽しめる人気の紅葉スポットです。

2024年の開催期間は以下のとおり。(ケーブルカーのナイトクルージング&もみじライトアップ)
2024年11月2日(土)~12月1日(日)までの土日祝、及び11月18日(月)・19日(火)・20日(水)・21日(木) ・22日(金)の平日限定開催。
2025年の開催は、筑波山ケーブルカー&ローブウェイインフォーメーションをご確認ください。(2024年は9月30日に掲載されました。)
男体山山頂付近
男体山山頂付近は標高が高いため紅葉の色づきが早く、ひと足先に秋の訪れを感じられます。赤や黄色に染まる木々の向こうには関東平野が広がり、澄んだ空気の中で見渡すパノラマビューはまさに絶景。鮮やかな紅葉と大パノラマを同時に楽しめる、筑波山ならではの特別なスポットです。

筑波山梅林の林道
梅の木々の合間に広がる赤や黄色の彩りが山道を鮮やかに染め、散策しながら四季の移ろいを感じられるのが魅力です。穏やかな雰囲気に包まれた林道は、のんびりと秋を味わえる人気の場所です。

随神門西側
随神門の西側には大きなイチョウの木が立ち、秋になると黄金色に輝く黄葉が訪れる人々を迎えてくれます。特に11月中旬から下旬にかけてが見頃で、落ち葉が境内を彩る様子も趣があります。歴史ある門と鮮やかな黄葉が織りなす景観は、人気のスポットです。

⚠️注意⚠️紅葉を見に行く際に気を付けるべきポイント
- 筑波山神社付近の急な石階段:石階段は急なため、お年寄りや小さな子ども連れは注意が必要です。中央の手すりを利用すると安心です。
- 混雑:11月上旬~中旬は特に混雑・渋滞が起こりやすいので、土日祝日の訪問は時間に余裕を持って、行動しましょう。

- 自然保護の観点等から、立ち入り禁止区域には立ち入らないようにしましょう。
- ケーブルカーのナイトクルージング&もみじライトアップは、天候による中止の可能性もあるので、事前に確認を行いましょう。
筑波山の登山情報
筑波山には主に3つの登山ルートが整備されており、それぞれに異なる特徴と魅力があります。健脚向けで本格的な登山気分を味わえるコースもあれば、奇岩や巨木を眺めながら歩く変化に富んだコース、さらには家族連れや登山初心者でも安心して挑戦できる短めのコースまで幅広く選べるのが魅力です。

難易度や所要時間、道中の見どころが異なるため、自分の体力や目的に合わせてルートを選べば、自然や歴史を感じながら充実した山歩きを楽しめます。
これからご紹介する3つのルートを参考に、自分のスタイルに合った筑波山登山を計画してみましょう。
所要時間(登り・下り) | 距離 | 標高差 | 難易度 | |
御幸ヶ原コース(筑波山神社~御幸ヶ原) | 登り約90分、下り約70分。 | 約2.0km | 約610m | ★★ |
白雲橋コース(筑波山神社~女体山頂) | 登り約110分、下り約95分。 | 約2.8km | 約610m | ★★★ |
おたつ石コース(つつじヶ丘~女体山頂) | 登り約40分、下り約35分。 | 約1.0km | 約200m | ★ |

それでは、3つのルートを紹介していきます。
①御幸ヶ原コース(筑波山神社~御幸ヶ原) 難易度★★
筑波山神社から男体山頂を目指すルートです。筑波山神社から約2 km・標高差約610 mを登る健脚向けルート。ケーブルカー沿いで、すれ違う様子や男女川上流、樹齢数百年の杉林など見どころ多数。登り約90分、下り約70分で御幸ヶ原へ到達できます。
筑波山神社から登山口へ
筑波山神社の拝殿を背にして左手に進むと、「是より男体山」と刻まれた鳥居が現れます。この鳥居をくぐると、すぐに登山道が始まります。スタート直後から自然の気配が濃くなり、山の神域に足を踏み入れるような感覚が味わえます。

序盤:整備された道と根の道
登山道の序盤は比較的整備された石段が続き、歩きやすい道が中心です。しかし少しずつ木の根が地表に現れ、岩が点在する自然な登山道へと変化していきます。

足元は滑りやすくなる場所もあるため、登山靴の着用をオススメします。周囲を取り囲むスダジイの森には鳥のさえずりが響き、五感で自然を楽しめます。
中盤:森林の変化とケーブルカーの交差
登山を続けていくと、標高の上昇とともに森林の植生が移り変わっていく様子が感じられます。モミやアカガシ、さらにミズナラやブナといった木々が次々に現れ、季節によっては紅葉が美しく彩ります。中盤ではケーブルカーの線路と交差する場所に出ます。

ここでは間近にケーブルカーが通る様子を眺めることができ、鉄道好きの方にも人気です。線路脇には小さな広場があり、ベンチもあって休憩に最適なスポットとなっています。
後半:傾斜の増す登山道と巨木の森
休憩地点を過ぎると、登山道の傾斜が急になり、体力を試されるような登りが続きます。登山道の両脇には巨大なスギの木々が立ち並び、樹齢数百年とされる巨木の森が広がります。

空を遮るようにそびえる木々の間を抜けるこの区間は、静寂と神秘に包まれた雰囲気です。また、登山道の近くには男女川の源流域があり、小川のせせらぎや湿った地面が見られます。
ここではハコネサンショウウオやアズマヒキガエルといった珍しい生き物に出会えることもあります。
御幸ヶ原に到着:展望と休憩のひととき
最後の急登を登りきると、視界がぱっと開けて御幸ヶ原に到着します。ここは筑波山の中腹に広がる広場で、ケーブルカーの筑波山頂駅や売店、休憩所、トイレなどが整っています。

晴れていれば、関東平野の絶景が広がり、東京スカイツリーや富士山を遠望することもできます。広場は開放感があり、家族連れや観光客も多く、のんびりと過ごせる場所です。
また、ここから男体山山頂へは徒歩10分ほどでアクセスでき、時間と体力に余裕があればぜひ登っておきたいスポットです。

②白雲橋コース(筑波山神社~女体山頂) 難易度:★★★
筑波山神社から女体山頂を目指すルートです。筑波山神社から約2.8 km・標高差約610 mを登る健脚向けルート。深い森の中を抜け、白蛇弁天や弁慶茶屋跡を経て、高天原、胎内くぐり、弁慶七戻りなどの奇岩・巨岩が次々に現れるのが魅力です。

後半は傾斜が増し、本格的な登山気分を味わえる構成。登り約110分、下り約95分で女体山頂へ到達できます。
登山スタートと序盤の森
筑波山神社から「白雲橋」を渡り、「是より女體山」と刻まれた道標のそばに登山口があります。そこから石段や木の階段が続き、スダジイ、スギ、モミ、アカガシなどの巨木に囲まれた自然豊かな森の中へと歩を進めます。

酒迎場の分岐と白蛇弁天
登りを続けると「酒迎場分岐」に到達。ここは迎場コースとの分岐点で、白雲橋コースは左へ進みます。

すぐに「白蛇弁天」のスポットが現れ、白い蛇が住み、その姿を見た者には財がもたらされるという言い伝えがあります。
弁慶茶屋跡と自然の安らぎ
さらに進むと森の中を歩き続ける区間が続き、その後「弁慶茶屋跡」に到着します。ここはおたつ石コースとの合流地点にあたり、ベンチなどで休憩しながら女体山頂を望むことができます。

後半の奇岩・巨岩ゾーンへ
弁慶茶屋跡を過ぎると、高天原、胎内くぐり、弁慶七戻りなどの巨岩・奇岩が続くエリアに入り、登山者は次々と現れる迫力ある岩壁や形の面白い岩に驚きます。急な岩場や傾斜も増してくるため、足元に細心の注意が必要です。

女体山山頂
白雲橋コースの終盤に差し掛かると、これまで鬱蒼とした森に包まれていた道が次第に開け、遠くの展望や移り変わる自然の姿を感じられるようになります。巨岩や奇岩を越え、急な坂を登りきった先には女体山山頂が待ち受け、達成感とともに関東平野を一望する絶景が広がります。

全体として距離や高低差があり体力を試されますが、そのぶん挑戦しがいがあり、本格的な登山を楽しみたい人に人気のコースです。
③おたつ石コース(つつじヶ丘~女体山頂) 難易度:★
つつじヶ丘から女体山頂を目指すルートです。つつじヶ丘から約1.0 km・標高差約200 mを登る短距離のやや緩やかなコースで、初心者や家族連れにもおすすめ。登りは約40分と手頃な所要時間です。
つつじヶ丘からスタート
このルートは筑波山東側、つつじヶ丘を出発点として始まります。つつじヶ丘周辺にはロープウェイ乗り場や売店、休憩施設、公衆トイレなどが整っており、登山前の準備にも便利です。入口はガマランドのガマ大明神モニュメント近くにあり、そこから登山道へと足を踏み入れます。

序盤:急階段ルートと開放的な高原
登山道は丸太や石の階段になっていて、最初は傾斜の強い登りが続きます。登り始めておよそ数分で、「つつじヶ丘高原」と呼ばれる開けた場所へ到着。

ベンチや東屋があり、関東平野と富士山を望む見晴らしの良い休憩スポットです。
中盤:草花と森林浴の道へ
高原を抜けると登山道は自然林の中へ。

ヒノキの植林からアカガシ、ブナなどへと植生が移り変わり、森林浴を楽しみながら歩くことができます。途中、タムラソウやワレモコウ、ノアザなどの野草に訪れる蝶の姿も見られ、自然の繊細な美しさに癒されます。
後半:樹林帯の登山路と合流地点へ
樹林帯の中をゆっくりとしたアップダウンで進むと、やがて再び階段の登りに差し掛かります。このあたりで白雲橋コースと合流し、「弁慶茶屋跡」に到着します。この地点からは女体山頂へ向かう登山路へと続いており、先ほど紹介した奇岩や巨石の見どころが豊富です。
番外編:ケーブルカーとロープウェイ
これまで、筑波山の登山ルートを中心にご紹介してきましたが、実は登山道を歩かずに山頂付近までアクセスできる手段も用意されています。それが「ケーブルカー」と「ロープウェイ」です。どちらも四季折々の自然を眺めながら移動でき、特に紅葉シーズンには絶景が広がります。

体力に自信のない方や小さなお子様連れでも安心して山の魅力を楽しめるうえ、登山と組み合わせて利用することで、体力やスケジュールに応じた柔軟なプランを立てることが可能です。たとえば「登りはロープウェイ、下りは徒歩」といった片道利用も人気です。
時刻表
毎時00分、20分、40分の20分間隔で運行しています。多客時にはそれ以外にも臨時運行しています。
9時(ロープウェイは9時20分)から17時まで運行しています。
※ロープウェイの夜間運行開催時には、上記の運行ダイヤで20時まで運行。

料金
ケーブルカー | 片道 | 往復 |
大人 | 590円 | 1,070円 |
小児 | 300円 | 540円 |
ロープウェイ | 片道 | 往復 |
大人 | 750円 | 1,300円 |
小児 | 380円 | 650円 |
筑波山へのアクセス
筑波山へは、車・電車・高速バスのいずれでもアクセス可能です。公共交通機関を使えば運転の必要がなく安心して移動でき、車なら自由度が高く、道中のドライブも楽しめます。旅行のスタイルや予定に合わせて、最適な手段を選べるのが魅力です。

車の場合
各高速道路のインターチェンジから約40〜45分で山麓へ到着でき、駐車場も整備されています。
- 常磐自動車道・土浦北ICから、約40分
- 北関東自動車道・桜川筑西ICから、約40分
- 圏央道・つくば中央ICから約45分
- 圏央道・つくば西スマートICから約45分
市営駐車場(御幸ヶ原コース・白雲橋コースの登山に便利)
普通車(500円) | 大型車(2,000円) | 二輪車(250円) | |
第1駐車場 | 210台 | 5台 | ー |
第2駐車場 | ー | ー | 8台程度 |
第3駐車場 | 138台 | 10台 | ー |
第4駐車場 | 97台 | ー | ー |

筑波山つつじヶ丘駐車場(おたつ石コースの登山に便利)
普通車(500円) | 大型車(2,000円) | 二輪車(250円) | |
筑波山つつじヶ丘駐車場 | 388台 | 12台 | 一定区画内 |
電車・高速バスの場合
電車だと、つくばエクスプレスで「秋葉原駅」から「つくば駅」まで約45分で着きます。
高速バスだと、東京駅や羽田・成田空港などから高速バス直通便も運行しており、「つくば駅」まで乗り換え少なくアクセスできるのも魅力です。
「つくば駅」からはシャトルバスで筑波山神社やつつじヶ丘などの登山口まで、50〜60分で行くことができます。

終わりに
筑波山は四季折々に魅力を放つ名峰ですが、なかでも秋の紅葉シーズンは格別です。山頂から山麓へと少しずつ色づきが進むため、長い期間にわたり楽しめるのが特徴で、黄金色のイチョウや鮮やかなモミジが訪れる人々を迎えてくれます。

筑波山神社周辺やケーブルカー沿い、山頂のパノラマビューなど、それぞれに趣の異なる紅葉スポットが点在し、歩くたびに新たな発見があります。ライトアップやナイトクルージングも加わり、昼夜を通して彩り豊かな景観を堪能できるのも魅力です。今年の秋は、ぜひ筑波山で心に残る紅葉の旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。


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