軽井沢（長野県）｜上質な高原リゾートで過ごす夏

長野県の東部、標高約1,000メートルの場所に広がる軽井沢は、日本を代表する避暑地として知られています。明治時代から外国人宣教師たちに愛されてきた歴史を持ち、今もなお洗練されたリゾートとしての雰囲気が漂います。夏でも平均気温は20度台前半と涼しく、避暑を目的に訪れる観光客で賑わいます。

「旧軽井沢銀座通り」や「ハルニレテラス」

旧軽井沢銀座通りでは、歴史あるベーカリーや個性的なカフェ、センスの光る雑貨屋などが軒を連ね、散策だけでも楽しめます。また、市街地から少し足を延ばせば、白糸の滝や雲場池といった自然の名所があり、涼風を感じながらの森林浴が魅力です。

最近では星野エリアの「ハルニレテラス」も人気で、木立の中におしゃれな飲食店やショップが集まり、軽井沢の自然と都会的センスが融合した空間が広がっています。

富良野（北海道）｜ラベンダー香る爽やかな夏の絶景

北海道の中央部に位置する富良野は、夏になると一面に咲き誇るラベンダー畑が観光客を魅了するエリアです。内陸性の気候でカラッと乾燥しており、7月〜8月でも最高気温が25℃前後と非常に快適。朝晩は一枚羽織が欲しくなるほどの涼しさです。

「ファーム富田」や「ニングルテラス」

なかでも有名なのが「ファーム富田」。紫一色に染まる丘と、背後にそびえる十勝岳の絶景は、まるで絵画のような風景。花の香りに包まれながら歩く時間は、まさに癒しそのものです。

さらに、森林の中に建てられた「ニングルテラス」では、クラフト雑貨店が点在し、まるで物語の中の村に迷い込んだかのような雰囲気が味わえます。また、富良野チーズ工房での試食や手作り体験も人気。美味しい乳製品とともに、涼しい夏の北海道を満喫できます。

那須高原（栃木県）｜アクセス抜群の高原で自然と遊ぶ

東京から新幹線で約75分、車でも2時間ほどでアクセスできる那須高原は、関東から手軽に行ける避暑地としてファミリー層に人気のスポットです。標高1,000メートルを超えるエリアもあり、避暑だけでなくアクティビティや温泉も楽しめるオールマイティな魅力を持っています。

「那須どうぶつ王国」や「那須ロープウェイ」

豊かな自然の中では、登山やトレッキング、さらには牧場体験も可能です。特に人気なのが「那須どうぶつ王国」。標高の高い丘の上に位置する園内では、アルパカやカピバラなどの動物たちと触れ合いながら、涼しい風を感じることができます。

また、那須ロープウェイに乗って茶臼岳の中腹まで登れば、澄んだ空気とパノラマの山々が迎えてくれます。山頂付近では真夏でも気温が20℃を下回ることもあり、登山気分を楽しみながら避暑体験ができます。

上高地（長野県）｜自然と調和する日本屈指の山岳リゾート

中部山岳国立公園の中に位置する上高地は、標高およそ1,500メートルに広がる山岳リゾート。車両の乗り入れが制限されており、訪れるにはバスやタクシーを利用する必要がありますが、それゆえに手つかずの自然が保たれ、国内屈指の清涼スポットとして知られています。

上高地の中心地である河童橋から見渡す穂高連峰と梓川の清流は、言葉を失うほどの絶景。川沿いの遊歩道は整備されており、軽装でも気軽に自然散策が楽しめます。明神池や徳沢といった静寂に包まれたスポットまでのハイキングは、森林浴と美しい風景を同時に楽しめる癒しの時間。また、上高地内には歴史ある山岳ホテルやカフェも点在し、大自然の中でコーヒーやスイーツを味わう贅沢なひとときが待っています。

箱根（神奈川県）｜アートと温泉が共存する大人の避暑地

神奈川県に位置する箱根は、標高が高すぎるわけではないものの、山々に囲まれた地形と豊かな緑により、夏でも比較的過ごしやすい気候が特徴です。東京からも1時間半ほどでアクセスできる利便性の高さから、日帰りや一泊旅行にぴったりの避暑地です。

箱根の魅力は、何といっても「温泉と文化」が融合している点。彫刻の森美術館では、緑に囲まれた野外空間に多くの現代アート作品が展示され、夏でも涼しげに芸術を楽しむことができます。

さらに箱根ロープウェイで訪れることのできる大涌谷では、火山地形の雄大な風景と名物「黒たまご」が楽しめる、ちょっとスリリングな体験も。旅の締めくくりには、箱根強羅温泉でさっぱりとした白濁湯に浸かり、日常の疲れをじっくり癒してはいかがでしょうか。

おわりに

日本には、暑さを忘れさせてくれる涼やかな夏の避暑地が数多く存在します。今回ご紹介した軽井沢、富良野、那須高原、上高地、箱根は、それぞれが異なる表情を持ち、自然、グルメ、アートなど多彩な魅力で訪れる人々を迎えてくれます。忙しい日常を離れ、深呼吸できるような空気の中で過ごす時間は、きっとこの夏の思い出を豊かにしてくれるはずです。

この夏、次の旅先を探している方は、ぜひ“涼しさ”をキーワードに避暑地を選んでみてください。涼しく、静かで、心地よい。そんな日本の夏を、ぜひ体感してみてはいかがでしょうか。