Route summary
75時間の制限時間の中で四国一周「シコイチ」を完走してきました。絶景尽くしの現地の様子を写真付きで紹介していきます!
Route detail
淡路島一周のアワイチ・琵琶湖一周のビワイチといったように、その土地をぐるっと一周できるコースは〇〇イチと呼称されますよね。今回は約1000㎞かけて四国一周「シコイチ」をしてきました。
走行データ
まずは1000㎞走ったログから。今まで見たことのない数値を叩き出していて驚愕しました。
- 走行距離 1,031.52km
- 移動時間 48:58:37
- 獲得標高 6,860 m
- 平均速度 21.1 km/時
- 消費カロリー 14,617キロカロリー
自転車を漕いで移動していた時間は49時間ほどですが、休憩時間を含めた経過時間 は74:03:14ということで74時間かけたシコイチとなりました。
機材・コース
機材はカーボンのリムブレーキロードバイクで走りました。振動吸収性が高いロングライドに向いているカーボンフレームです。3000ルーメンの前照灯を用意し、7Lのサドルバッグ(普段使うサイズの7倍)を装着。着替えは仮眠所に前もって送るスタイルで臨みました。
コースは左回りです。初日に徳島をスタートし、75時間かけて外周を一周しながら戻ってきます。メロディーラインを経由して佐田岬に行く部分と、四万十川部分は同じルートを往復します。
- 初日(13時出発):256㎞ 徳島県徳島市~今治~愛媛県松山市まで
- 2日目:425㎞ 佐田岬~宿毛~足摺岬~高知県四万十市まで
- 3日目:312㎞ 須崎~桂浜~室戸岬まで
- 最終日:37㎞ 徳島県那賀郡もみじ川温泉~勝浦~徳島県徳島市ゴール
一番辛く感じたのは丸1日走り続けた2日目でした。特にアップダウンしかない佐田岬や、路面が荒れていて神経を使った足摺岬周辺は難所だったと思います。明け方の足摺岬から四万十川上流まで走り、下流の健康ランドで入浴&仮眠をとれた時はほっとして一気に疲労を感じてしまいました。
初日
スタート
徳島阿波踊り空港~徳島市のスタート地点まで移動し、昼の13時にスタートしました。
長距離走行前には炭水化物の摂取が大事ということで、カーボローディングを。スタート地点に近いローカルなうどん屋さんで肉うどんをいただきました。讃岐うどんが有名な四国ですが、この地域では阿波うどんと呼ばれるうどんが人気だそうです。
徳島市街地から海岸線までは信号ストップが多く、思ったよりもスピードに乗らず苦しい区間でした…。海沿いに出てからは信号がほとんどなく、快走そのもの。ほぼノンストップで道の駅みろくを目指します。
道の駅みろく
道の駅みろくでは、併設されている牧場カフェ369(みろく)でほうじ茶ラテを補給。ちょうど気温がピークの時間帯なのに加えて、道の駅の手前が軽い登り区間だったので、冷たさが身に沁みました。
まだまだ旅は始まったばかりなのに、あちこちに露店や道の駅・グルメスポットがあって目移りしちゃいますね。1週間以上かけて巡ると一番いいのかもしれません。
今度は香川県を西側へショートカットしながら走り、先の滝宮公園を目指します。有名なこんぴらさんの参詣道を横目に、ローカルな旧街道を通過し、「別子鉱山鉄道自転車道」という自転車道を使って滝宮公園へ向かいました。自分のような県外の人間は本当に初見殺しなサイクリングルートで…本当に何回道を間違えたかわかりません。ただ、自転車道ということで車の心配なくストレスフリーで走れました。
サイクリングルートをさらに北上して、バリィさんで有名な今治波止浜を通過。さらに愛媛県松山市にある天山トロン温泉へ。ここを初日の仮眠所としていたので、暗い中ですが頑張って足を進めました。
天山トロン温泉
1Fにある大浴場のほか、2Fには個室の家族風呂があり、お風呂+仮眠できる座敷とお布団がセットになっているのでゆっくり眠ることができます。2時ごろに到着し、朝方まで仮眠をとりました。個室にはコンセントがあり、サイクルコンピューターやライトの充電が可能です。
2日目
佐田岬はなはな
松山を朝方出発し、そのまま最西端にある佐田岬道の駅はなはなから来た道を往復します。この区間は「メロディーライン」という名称で、車で走ると音楽が聞こえるように路面に凹凸加工がしてあります。ロードバイクの速度でも若干曲の雰囲気がわかるくらいには聞こえて面白かったです。
道の駅はなはなにあるモニュメント。
みかんの名産地ということで飲み比べコーナーがありました。ゆるキャラのみきゃんがかわいいですね。
佐田岬は前半戦の難所というべきコースでした。観光地ということで車・バイクの往来が多く、気を付けながらトンネル何か所もを通過しなくてはなりません。加えて平坦部分がほぼく、常にアップかダウンを繰り返している状態なので足を使います。ゆっくりと、焦らず安全に通過しましょう。
佐田岬を往復後、八幡浜方面から今度は高知方向へ南下していきます。宇和島付近もアップダウンが多いのでとにかく獲得標高を稼いだ二日目となりました。温泉施設のゆらり内海で休憩後、更に難所と聞く足摺岬へ進みます。
足摺岬
夜の到着となってしまいましたが、街灯がないのと路面が荒れているので昼間より更に難易度が高いと感じました。四国の下半分は向かい風区間が多く、足摺岬手前のトンネルでは風に押し返されるようなシーンがあり、落車しかけてヒヤッとしました…。
ジョン万次郎の像と記念撮影。自転車が倒れそうな爆風でした。軽く装備を整え、次に目指すのはついに「四万十川」です。
四万十・川の駅カヌー館
荒れた路面の細い道を通り抜けて、四万十川上流に向けて走っていきます。意外と対向車が来るので注意です。このころにはすっかり日が昇って暑いくらいでした。
そしてこれが有名な「沈下橋」です。両脇に柵がなく、川の水面ぎりぎりを走ることができる珍しいスポットです。数か所ありますが、今回は一か所だけ自転車で恐る恐る通過しました…。明るい時間帯でないと落下が怖いですね。
四万十川周辺は今回のシコイチで最高のロケーションでした(曇り空が悔やまれます)
更に上流へ向かい、川の駅カヌー館で記念撮影。近くには食事処があり、カヌー館ではシャワーが利用できます。自分はここで折り返し、四万十市にある温泉で二回目の長い仮眠をとりました。
さて最後のリスタートです!
3日目
桂浜海のテラス
四万十市からはしばらく海沿いを走行します。高知県は横に長く、3日目から最終日にかけてはほぼ高知を走っていました。この辺りは荒波で削られた岸壁が連続する区間で、いままで見たことのないゴツゴツとし岩々が印象的でした。信号が少なく、向かい風を除けば走る側としても良いロケーションです。
気付いたらまた夜になってしまいました。桂浜海のテラスで記念撮影。ここに来る手前に長宗我部元親像があり、桂浜には坂本龍馬像があります。歴史好きの方はぜひ昼間に来て満喫してください。夜はなにも見えませんでした…。
しかもこの日は須崎から桂浜にかけて雨に打たれてしまい、レインジャケット・パンツはあったものの全体的に砂や泥で汚れてしまいました。長距離になるほど、天候悪化への備えは大切ですね。
桂浜を抜けたら、佐田岬・足摺岬に続いてついに後半戦の山場である室戸岬が待っています。桂浜を抜けた先のコンビニで飲み物とおにぎりを補給し、濡れてしまった体を拭いて暗闇の中室戸岬へスタートです。
室戸岬
室戸岬には明け方に到着しました。ぜひ夜明けのタイミングに訪れてほしいくらい美しい海辺の景色が広がっていました。ここに来るまで眠気が凄かったのですが、絶景を目の前にして一気に眠気が覚めた気がします。信号がほぼなく、下り基調のオーツフラット区間だなんて自転車乗りにとっては最高のコースでした。思わずTTバイクが欲しくなってしまうくらい、ハイスピードで気持ちよく走れる区間です。
クジラ像の前で記念撮影。この時点で7時ごろ。ゴールの徳島市へは16時到着を目指します。
最終日
道の駅もみじ川温泉
夜明けの室戸岬から徳島方面へを足を進めます。海沿いから徐々に山間部に入り、観光スポットである道の駅もみじ川温泉を経由して徳島へ戻ります。
室戸岬を通過すると次の市街地に入るまでコンビニがほとんどないので、補給準備が大切です。自分は直前のコンビニでおにぎりを買い込みました。補給不足ではハンガーノック(カロリー不足)になってしまいます。軽いヒルクライムが待っているため、水分・カロリー共にしっかりと補給してラストランを飾りましょう。
10月だったのに夏のような天気で、気温も28℃ほどありました。道幅が広く、車もほぼ通らず快適です。ここまでくると四国一周も残り50㎞程になるので気持ちが楽ですね(のちに最大の難所があるとは知らず…)
もみじ川温泉ということで、紅葉シーズンには真っ赤になるんだろうなあ…と思いながら通過しました。いつかそんな景色を見に再訪できたらうれしいですね。
難所・鶴峠(鶴林寺)
四国一周も終盤、勝浦方面から徳島市街地へと一山超えて戻ります。が、その峠越えがなんとお遍路転がしで有名な「鶴峠」を倒さなければなりません…これが実質のラスボスでした。
常に斜度10パーセント、いや15パーセントありそうな激坂をインナーローで2㎞ほど登りますが、辛すぎて途中で止まれないため写真が残っていないのが悔やまれます。一度足をつくと再出発できなさそうな斜度で、自転車を押し歩きしている人が何人もいました。
しかもこの峠の本当の難所は登りではなく下り区間なのかもしれません。ボコボコで荒れた道どころではなく、未舗装路の激下り(砂利道)が続きます。自分は25Cタイヤのリムブレーキなのでタイヤは細いし、ディスクブレーキと比べてストップパワーがなく、たいへん苦戦しながらダウンヒルをしました。過去一番キツイ下り道でした…。
ゴール
難所の鶴峠をパスし、下り基調のまま徳島県徳島市へと戻ってきて今回の旅は終了です。鶴峠の下りで痺れた両手に徐々に感覚が戻ってきます。山道から徐々に市街地へ戻っていくコースだったので、見覚えのあるスタート地点が見えてきたときは達成感で涙が出てきそうでした。
帰路の徳島空港でゆるキャラの松茂係長をゲット。レンコン、ネギが有名だそうですが今回はグルメを満喫する時間をあまりとれなかったのが残念でした。いつか1週間くらいかけてのんびりとシコイチするグルメツーリングをしたいと思います。
感じたこと
今回のシコイチで特に感動したのは、四万十川の美しさ・高知の海岸線の絶景・室戸岬周辺の走りやすさの3点でした。絶景・走りやすさ・難所を個人的ランキングにまとめると以下の順位かなと思います。
絶景ランキング
- 1位:四万十川…別格の美しさ。水辺に広がる壮大な緑に感動すること間違いなし。
- 2位:高知の海岸線…隆々とした岩が立ち並ぶ岸壁に自然の力強さを感じます。
- 3位:夜明けの室戸岬…早朝の輝く海がとてもきれい。早朝がおすすめです。
走りやすさランキング
- 1位:室戸岬周辺…信号ほぼなし&オール平坦でスピードが乗ります。
- 2位:桂浜周辺海岸線…こちらもノンストップで走れて快適でした。
- 3位:もみじ川温泉周辺…信号・車ともにほぼなく、道幅広めの快走コースです。
難所ランキング
- 1位:お遍路転がし鶴峠(鶴林寺)…その名の通りお遍路さんが転がるくらいの激坂でした。
- 2位:佐田岬…アップダウンの連続で足が削られました。観光地につき車・バイクが多め。
- 3位:足摺岬周辺…路面が荒れていてハンドルがとられやすく、ヘアピンカーブが危険でした。
四万十川では有名な沈下橋を通過し、川の駅カヌー館で折り返す往復コースです。とにかく壮大な川の流れと美しい自然は、いままで走ったどこの川沿いのコースよりも綺麗でマイナスイオンを感じました。
高知県は向かい風に体力を削られる厳しい戦いとなりましたが、荒々しい岩続きの海沿いの風景は、土佐の荒波をリアルに体験したような感覚でした。
室戸岬周辺は夜明けのタイミングで通過しました。朝日を浴びてキラキラと輝く海が美しく、高知とは対照的で静かできれいな海沿いの景色を味わえます。信号ストップが全くなく、かなり快適な速度で走ることができました。
1000㎞以上走行すると感じたこと・思ったことが多々出てきますが、特に記憶に残ったのが上記のポイントでした。もしシコイチを計画している方がいれば、ぜひこの記事とRoute Shareを参考に楽しんでくださいね。
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