管理人jun

上高地編その3

Nov 19, 2022Posted Nov 19, 2022Update

Route summary

管理人が大学生の時に行った上高地サイクリングの記録です。キャンプ宿泊を伴い、また初めて輪行で横浜に帰るサイクリングでした。本格的に関東を出て遠くに行ったので当時の自分にはとても冒険的でした。この日は北杜市から上高地、そしてその帰りまでです。

Route detail

膝に爆弾を抱え、上高地へ挑む

またもや朝日で目が覚める。目覚ましがなる前に起きることができた。起きた時、思った「さむっ!」夏なのにー!とか思っていたが山の中だからなのか今持っている寝袋(夏用)では寒かった。あまり記憶がないが夜中寒くて目が覚めたような無いようなとりあえず寒かった。念のためと上下長で寝たのが不幸中の幸いだったのかもしれない。夏に凍死なんてシャレにならない。

塩尻に向かう

今日は午前中に塩尻に向かいコインランドリーで洗濯13時には上高地に向かい17時には着く予定。早いものでもう3日目。膝の痛みは温泉のおかげなのか軽減されていた。買っておいた朝食のパンを食べて荷物をまとめてストレッチしていると昨日のおじさんが来てくれた。

たわいもない会話をして塩尻に行くことを伝え別れた。またどこかで会えたらいいな...一期一会、これも旅の魅力!

朝の交通量の少ない時間を狙い20号を北上。富士見、茅野、諏訪を通り塩尻峠に近づく。膝の痛みが発症しないように休憩を多めにしてストレッチ。漕ぎ方も蟹股にならないように気を付けた。塩尻峠は漕がないで歩道を押して上った。後半に上高地の坂が待ち構えているので膝を温存しておく。峠に着いたので振り返ると

見にくいが、諏訪湖だ!今年(2016)ブームになった「君の名は。」にも出てくる。そういえば君の名は。は信州がモデルみたいだから、地味に聖地を回っていることになるな。坂道を下り塩尻市に入る!交通の要衝地であってかそれなりに大きな街である。

塩尻で補給

コインランドリーもすぐ見つかり洗濯の合間にマック(充電を兼ねる)で昼食をとる。マックの様な充電してくれるお店があると我々のような貧乏旅行者には嬉しい。ずぅぅと居るのも迷惑なので30分ほどで退散。充電も十分できましたありがとうございます。

まだ洗濯は終わらないので近くの100均に行きとりあえず上高地のキャンプに向けて何か買っておく。食料品、水、そして膝サポーターと空気枕を手に入れた!膝サポーターは簡易なものであるがつけると膝が楽になった。今後の旅の共になりそうだ。

枕はずっと衣服入れを使っていたが、すこし使い心地が悪かったので空気を入れて枕にする奴を購入。より安眠できそう。

上高地へラストスパート

洗濯が終わり、13時になる。これから50km先の上高地へと向かう。上高地へ向かう最中南には日本アルプスの山々が広がっていた。深い緑、照り付ける太陽と、青い空が信州の美しさを際立てていた。

塩尻から北西に向かうと国道158号にぶつかりその道路に沿ってゆくと上高地に着くことができる。158号は長野県松本市から乗鞍、高山を経て福井県福井市までつながっている道路。中部の山々を突っ切る道路である。上高地に向かう山道なのでもちろん坂である。この区間を通るにあたり私が一番怖いのはトンネルとダンプだ。富士山編でもトンネルは苦手であった。1回ぐらいならいいが地図を拡大するとわかるがトンネルが多い。新島々駅(松本電鉄上高地線:終点)から上高地まで数えて15箇所以上はある!最恐と呼ばれる「釜トンネル」昭和期に作られた古くて狭いトンネルが上高地編最後の難関だ…

とりあず時間も 迫っているので進む。 早速綺麗な川が見れた。 すると早速トンネル! 坂×トンネルはきつい… そして古いトンネルには 路側がないので 車が来る前に急いで トンネルを抜ける! しかし夏であるのか 観光バスが多く また上流部で工事を やっているのか ダンプカーも結構通る(´Д`;;) トンネル前に待機 → 車の流れが途切れる → 急いでトンネルを抜ける → 進む → トンネル前に待機.. というのを繰り返す。 そして 「入山隧道」という 恐ろしいトンネルが 待ち受けていた...

路側なし×若干坂×距離300m弱×暗い極めつけにトンネル内に分岐があるというとんでもないトンネルであった。梓湖にある奈川渡ダムがあった。こうゆう所に行く性なのかダムのような巨大建造物とかみると若干興奮して写真撮りたくなる。なんかすごいよねダムって!

このダムを越えてからながーいトンネル(最低800m~1000m以上)が多い。後ろから来る観光バスとダンプの轟音が怖い。雨とトンネルは好きになれないなぁ..そして予想した通り工事をしている区間があった。小さい自転車は1車線で規制中でもコーンの内側に入れてもらえてラッキーであった。斜度が10%の区間がちらほら出てくる。無理して漕ぐと膝が爆発するので坂がきついときは押して歩いた。

そこを押して歩いた。砂があり、よく見ると自転車のタイヤの跡であった。先人たちの軌跡に励まされた。工夫しながら時間をかけて登ってゆく。途中で辛くなり引き返そうとも思ったがここまで来て、帰るのは勿体ない。上高地まで登りきるぞ!と膝に言い聞かせた。

激坂トンネルの先には..

16時半すぎついに最後の難関「釜トンネル」に到着。あたりも上高地らしく清流が流れていた。

川底が見える!さらにエメラルドグリーンにも見える。非常にきれいな水だ。あたり一帯が環境保護区に指定されている理由もわかる。ちなみに環境保護のため上高地(正確には釜トンネルより先)にはマイカーで入ることができない。麓で低公害観光バスもしくはタクシーに乗り換える。

釜トンネルまでどこかの駐車場に車を駐車してバス・タクシーで上高地に入らならければならない。しかし自転車と徒歩はそのまま入れるけどね。釜トンネルをみて絶句した。斜度10%の標識がある!?

(この写真は後日撮影した下り方面)

釜トンネルを抜けると上高地トンネルというトンネルがまたありそこも斜度5%ぐらいある。歩道があるので押してゆく。17時近くになったが上高地トンネルを抜けると上高地!そして抜けると….

トンネルを抜けた瞬間いきなり涼しくなった。トンネルをぬけたら別世界があった。そう思ってもおかしくないぐらいな場所であった。暗くなり始めたのですこし進めると大正池がある。真っ青だった。空の色いや水の色。綺麗すぎて青色。

先に進むとバスターミナル兼郵便局があった。「こんな山奥に郵便局があるなんて…」建物は基本的に木造だった。さらに奥に進むとこんなものが!

「ここから先は環境省の許可がない車両は一切通行止め。」だそう。自転車すら通行止めになってるとはおそるべし上高地。近くに駐輪所があったのでトレ子を止めておいた。(トレ子は当時乗っていてたトレックのクロスのこと)

大荷物をどうにか持ちキャンプ場に急ぐ。

受付はぎりぎり間に合った。自転車で来たといったら驚かれた(笑)しかし残念なことに風呂が閉まってしまい今日はギャッツビーか…と少し落胆。売店も閉まっていたがあらかじめ食料品を買っておいたので大丈夫。

テントをはってご飯にしよう!自販機でコーラが売ってあったので、すかさず購入。川で冷やす。水めちゃくちゃ冷たいです。天然の冷蔵庫だった。

川近くにテントを張る

すばらしいキャンプ場である。もちろんゴミなど一切ない。信州、日本アルプスの大自然は格が違う。テントを張っていたら19時になり一気に暗くなってしまった。調理も米炊くの面倒なのでパンにした。一通り終えてテントに入るとどっと疲れが来た。

北杜からここまで1日でよくこれたなぁと思う。膝の爆弾が作動せず無事にこれた。予定がおすに押された上高地編。今日は川のせせらぎでも聞いてゆっくり寝よう。冷やされたコーラの味は別格だった。

いつの間にか最終日

日本アルプスの自然の中のキャンプ。川の音を聞き寝れるのは最k……と思っていたが寒っっっ!!!蔦木宿より寒い。おかげで夜中に何回か目が覚めてしまった。上下長の上寝袋にくるまっているのにかなり寒い。やはりAmazonで買った安いものではなくモンベルあたりで新しい寝袋を買おう。後で調べたが9月の上高地は一気に気温が下がり初霜が観測されることもある。つまり夜は10℃以下になることもあり得るのだ。夏用寝袋じゃ寒いわけだな。

国立公園のキャンプは最高

今日は別にどっかいくわけでもないので8時に起床。テントを出るとすばらしい自然!

日本ではないように見えた。空気は冷えているとても美味しい。国立公園最高!!

上高地飯をつくる

昨日夕飯がお粗末だったので腹が減っている。朝食を作ろう!飯盒と手作りアルコールバーナーで炊き込みご飯と味噌汁をつくる。焚火は禁止だがバーナーは大丈夫。バーナーにアルコールを入れて火をおこす。洗米した米を飯盒に入れて炊き込みご飯の素と一緒に炊飯する。

手作りアルコールバーナーは自身が温まりその熱でアルコールが気化して小さい噴出口からジェット噴射される(本燃焼)。それでコンロみたいに青い炎がでる。火力はそこそこ強いが今のバージョンではアルコール100mlで10分ほどしか持たないのが弱点。

待つこと数分…完成!

素晴らしい出来である。ごはん炊いて、わいたお湯にマルコメの味噌汁の素を入れただけだがうまそうだ。普段じゃ何気ない食事だがこうゆう場所で旅の最中に食べる食事は大抵何でもおいしく見え実際美味しい。水は上高地の水。

散策してみる

その間に受付で有料の充電場があるので充電させてもらう。売店に行きお土産を探る。売店では通行手形をお土産として買った。としても登山客が多い。上高地の先には槍ヶ岳があり周りには穂高岳笠ヶ岳がある。どれも雄大で自然にあふれている。国立公園になる理由もわかる。自転車で走るときはこの山々には坂で苦しめられたが上につくとそんなことも忘れてしまう。ヒルクライム中毒の初期症状でもある笑。

下山準備

今日は昼過ぎには松本駅で輪行して帰る予定。前回の富士山編はそのまま帰ることができたが今回はそういう訳にはいかない。旅に行くはいいが戻ってこれなければ意味がない。とりあえずテントを片付け荷物をまとめて下山準備をする。受付にスマホを取りに行き受付の人と話した。自転車で来たことには驚いていた笑両手に荷物を抱えて駐輪場へ行く。上高地に行って本当によかった。素晴らしい自然と出会いがあり充実した自転車旅であった。

駐輪場に行く前に上高地郵便局へ行く。ゆうパックで荷物をおくった。上高地から横浜でも2000円ぐらいだった気がする。

さよなら上高地

荷物が少なくなり自転車が漕ぎやすくなった!そして下山!やはり下りは最高!!しかし斜度があるのでスピードに注意したいが…!上りは4時間。下りは40分!圧倒的なスピードだった。途中の「風穴の里」で松本山賊焼きを食べる。がっつり系が最近ほしかったところだ。

帰りは輪行!

松本駅前に到着して輪行のため分解を開始した。輪行は3回目でありテキパキできるようになってきた。30分後輪行袋に半ば強引に収納。10kg以上あるので結構肩に来る。電車を調べると…どうやら特急「あずさ」で行くのがいいが5000円が飛んだ(´;ω;`)ちなみに普通列車で行こうとすると6時間ぐらいかかる。特急券を買うのが実は初めてで何をすればいいか全くわからなかった。駅員さんに丁寧に教えてもらいどうにか購入。

あずさを待ってホームで30分。列車が来て中に入る。指定された席に座る。でかい自転車は狭い列車での持ち運びに苦労する。ほかの乗客に迷惑かけないように一番後部座席の空いてるスペースに入れる。

列車が出発して走り出す。普通列車を追い抜いてゆき、あっという間に塩尻..諏訪..茅野…甲府。昨日頑張って走った20号を眺めながら丸一日かけて走った道を特急列車は1時間足らずで走った。甲府でいったん停車する。人が少し増えた。そして列車がまた動きだす。あぁ、とても速いなぁ。。。トンネルにはいり大月に向かっていることが分かった。少しだけ見えた国道20号に一昨日の自分の走る姿が見えた気がした。

2日目のページで、自転車で旅すると日本が広く感じると思った。確かにそうだった。列車で移動するととても日本が小さく感じた。圧倒的な違い。もちろん便利であるしこうして輪行できて数日あれば自転車旅できるのも列車のおかげである。過ぎていく風景を眺めまたトンネルへ入る。よくわからない寂しさを胸に次の旅行の計画を思い浮かべていた。

横浜の家に着いたのは18時過ぎであった。見慣れた風景をみると安心した。あの山奥から帰ってこれた!!無事旅はおわった。

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